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ボディーガードマニュアル(第6回)

IBAボディーガード訓練

ボディガード・身辺警護・要人警護・SPを目指す方のための…

“BODYGUARD'S MANUAL”
 presented by CCTT & IBA

今号の目次
1.ボディーガードに求められる人間性
2.警備に必要な「4つの目」

1.ボディーガードに求められる人間性

警備対象者が満足しなくては、サービス業は成り立たない。特にボディー
ガードという仕事では、四六時中警備対象者と共に行動することが多いため
他のサービス業よりも、さらに各々のしっかりとした人間性が求められる。
下記に挙げる項目は、ボディーガードならずとも、一社会人として当然
できているべきもので、あたりまえのことであるが、ボディーガードという
仕事では特に重要で、警備対象者がボディーガードの良し悪しを判断する
要素でもあるため、あえてここに挙げることにする。

A)一般常識
 一般常識のない人間は、当然警備対象者や警備対象者の関係者等から
 信頼が得られず、警備上必要な協力も得られない。また警備対象者は
 一般常識のない人間をそばに置きたがらない。ボディーガードがいる
 ことで、恥をかいてしまうからである。また、一般常識のない人は
 ボディーガードにむかない。これは、不審者をいち早く発見するため
 の不審者発見法ができなくなるためである。詳しくは、不審者発見法
 の項目で紹介する。
B)一般教養
 ボディーガードが警備する対象者はいろいろだが、教養の高い人を
 守ることは多い。警備対象者や、警備対象者の関係者等と同レベルの
 会話ができる程度の教養は必要である。また、警備対象者は自分より
 も無能な人間に高い警備料金は払わない。
C)正しい言葉づかい(敬語,尊敬語)
 正しい言葉づかいは、それだけで信頼感を増し、教養の高さをうか
 がわせる。また、不審者や尾行者等と接する時、ネゴシエーションの
 場面においても、正しい言葉づかいができないと、最悪の結果を招く
 こともある。
D)姿勢・歩き方
 しっかりと姿勢や歩き方は、それだけで、ボディーガードの強い存在
 感をかもし出す。これは、警備対象者のみならず、襲撃者に対して、
 「自信」という形で現れる。もし、襲撃者が襲撃計画を立てるために
 下見をした際、背筋が曲がって、だらだらと歩くボディーガードを
 見たらどう思うだろうか。恐らく、このボディーガードではあれば
 襲撃できる、と判断するだろう。また、悪い姿勢は、周囲への観察力
 の低下にもつながる。
E)身だしなみ
 あたりまえの話しだが、汚い身なりをしたボディーガードをそばに
 置きたがる警備対象者はいない。ボディーガードは、警備につく際、
 服装はもちろんのこと、髪型,ひげ,靴,靴下,アクセサリー等にも
 気をつかい、アフターシェーブローションやヘアリキッド等の臭い
 にも十分注意する。ボディーガードが良い香りだ、と思っても、警備
 対象者が不快に思うことがある。狭い車内では特に臭いに注意する。
 当然、タバコを吸う人は、タバコの臭いが服につくことも考えて、
 喫煙のタイミングや吸った後の対処を考えなくてはならない。同じく
 口臭や体臭にも十分気をつかう必要がある。
F)マナー
 例えば、警備対象者が高級なレストランで食事をすることもある。
 その際、隣に座ったボディーガードが、テーブルマナーを知らず、
 警備対象者に恥をかかせるようなことがあってはならない。ただし、
 表面的なマナー技術のみにとらわれてはならない。テーブルマナー
 のみならず、すべてのマナーとは、本来、その人の心を表すもので
 ある。その人が、本当に相手のことを思い、不快にさせない努力を
 した結果、それがマナーとして現れるのである。マナーがわからず
 おどおどしたり、他人のマナーが気になって誹謗したりするのは、
 マナーの本質を理解していないためである。
G)約束を守る(時間を守る)
 警備対象者から頼まれたことを守る、時間を守る、というのはあたり
 まえのことである。他にも、チームで警備にあたる際に、他のボディー
 ガードとの信頼関係がなくては、警備は成り立たない。仲間同士の
 信頼を得るためには、警備時以外の、日常からの人間関係が大事で
 ある。約束を守る、というのは、仲間同士の信頼関係を築く上で最低限
 のルールである。
H)責任感
 ボディーガードの責任感は、有事の際、警備対象者の生死を左右する
 大きな要因となる。責任感のない人間が、人の命を守ることなど到底
 無理である。そのようなボディーガードは、危険が近づいたら、恐らく
 真っ先に逃げてしまうことだろう。また、チームで警護業務を行う
 場合、リーダーには、部下を守る責任があり、その責任感はチームを
 一つにする。セキュリティーや軍隊の分野で世界最高レベルといわれる
 イスラエルの強さは、実はここにある。イスラエル軍では、階級が
 高くなればなるほど、戦場で死ぬ確立が高くなる。これは、イスラエル
 人の基礎となっているFollow Me!の精神があるからだ、とイスラ
 エルの一流ボディーガード企業CAERUS社の代表Rozenfeld氏は教えて
 くれた。イスラエルでは、上に立つものが、先頭をきって手本を見せる
 ことで、部下がついてくる。その責任感が、「実力」と「尊敬」を生み
 チームの信頼感と一体感になるのである。
I)守秘義務
 ボディーガードは、常に警備対象者と行動を共にする。これは、普通
 では知り得ない機密事項を耳にしたり、スキャンダルを目のあたりに
 することにもつながる。もし、ボディーガードが、警備中に知り得た
 警備対象者や警備対象者の会社の機密事項を漏らすようなことがあれば
 当然、警備対象者にとって大きなダメージとなり、結果的にボディー
 ガード自身が自分の職を失うことにつながる。また、大手企業のVIPとも
 なると、ちょっとした情報漏えいが、経済界や政治の世界にも影響を
 及ぼしかねない。警備対象者が芸能人だった場合、スキャンダルが
 もとで芸能界から追放される可能性もある。実は、警備対象者にとって
 ボディーガードとは、それだけ危険な存在なのである。それゆえに、
 信頼できるボディーガード、機密が守れるボディーガードでなくては
 ならないのである。
J)健康管理
 警備中、有事でもないのにボディーガードが倒れてしまっては、もとも
 子もない。もしボディーガードが倒れてしまったら、その後、他に
 警備対象者を守れる人はいないのである。また、健康が優れない状態で
 警備にあたると、必ず警備の「見落とし」が出る。ボディーガードの
 体調不良は、直接警備対象者の生死に関わることもあるため、健康
 管理も大事な仕事の一つであるといえる。
K)情緒の安定
 いくら体が健康でも、心が不安定なようでは警備にならない。必要
 以上に不安がったり、逆に興奮状態であったりしては、警備対象者は
 安心して自分の生活を全うできない。有事の際は、ボディーガードで
 あっても少なからずパニックになる。しかし、その中にいてもボディー
 ガードは、冷静な判断と迅速な行動を取らなくてはならない。有事でも
 ないのに不安定な情緒では、有事の時思いやられる。
L)身元
 ボディーガードとして働く人間は全員、事前に身元調査を行わなくて
 はならない。先に述べたように、ボディーガードの存在は、警備対象者
 の生死(身体的な生死のみでなく社会的な生死も)を左右する。
 産業スパイやスクープを狙う記者、襲撃者の仲間等がもしボディー
 ガードのチームの一員になってしまったら、本来安全でなくてはなら
 ないセーフティーゾーンに穴ができ、そこから危険を招き入れてしまう。
 直接的な被害がなくとも、セーフティーゾーンの穴から情報が漏れる
 ことによって、間接的な被害を起こすこともある。戦争でも、テロでも、
 犯罪でも、直接攻撃の前には必ず情報戦争がある。情報漏えいは多大な
 被害を起こす可能性を秘めているのである。当然、警備対象者のみ
 ならず、他のボディーガードも危険にさらされることになる。
M)向上心
 警備対象が「人」であり、「人」には各々の生活がある以上、警備
 状況は常に変化し続けている。ボディーガードは、あらゆる事態を
 予測し、それに対応しなくてはならないため、一旦身につけた技術
 だけで満足することなく、常に勉強する向上心が必要不可欠である。
 特に、情報化,国際化が急激に進む現代では、向上心のない者は取り
 残され、襲撃者の能力の方が上になってしまう可能性がある。
 人は立ち止まると腐る。
 常に先を見て進む向上心が、ボディーガードにも求められるのである。


2.警備に必要な「4つの目」

ボディーガードとして働き始めると、恐らく他にも多くのものが必要だと
気づくようになる。これらは、警備対象者や警備環境等によって異なって
くるものだが、一つ、共通して言える重要な点は、「相手の立場に立てるか
どうか」である。これは警備対象者に対してだけではなく、襲撃者、
ボディーガード仲間、周囲の人など、自分に関わるすべての人に対して
言える。自分やチームの取っている行動等を、客観的に見る習慣を身に
つけ、常に多角的評価を繰り返し、改善していくことが必要である。
私は、訓練生に「警備中は4つの目に注意しろ」「4つの目を持て」と
教える。それは、「警備対象者の目」「襲撃者の目」「ボディーガード
同士の目」
そして「周囲の目」である。
自分が警備対象者だったらどう感じるか、自分が襲撃者だったらどの
ような行動を取るか、自分がボディーガード仲間だったら何を求めるか、
自分が周囲の人間だったらどのような反応をするか、など、人の立場に
立って考えることは、警備にとって必要不可欠な行為であり、警備を
成功させる秘訣の一つである。


次号に続く…


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本記事は、IBA(国際ボディーガード協会)日本代表で、株式会社CCTT代表取締役,
ARMS SECURITY社主席董事の、小山内秀友(おさないひでと)が執筆しております。
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本記事は、IBA(国際ボディーガード協会)並びにイスラエルSITAL INT'L社,
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